ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


人魚が詠む

浄い詩篇

泡を纏って

星空に届く

 

僕の悲恋は

旋律に富み

濡れた翼で

運命を往く

 

亡者が焚く

古い寓話は

墓を捜して

深淵に刻む

 

神の慈愛は

色艶に欠き

荒れた鎖で

歳月を熟む

 

 

「或る美談」

握った幻肢を

離さずに泣く

言葉は空虚で

星雲線が詠む

 

僕は雨で喘ぎ

寝息を嘆じる

巻煙草の夢が

肺臓に満ちる

 

宿った死命を

呪わずに笑む

時間は邪悪で

赤信号が急く

 

君は花で偲び

天使を演じる

指環箱の嘘が

楽園に落ちる

 

 

「シャイン」

僕は縊死体

乱雑な積木

混沌を語る

苦悩の残滓

 

詩才が呈す

病の伴奏に

箒星を視る

価値論信徒

 

君は青薔薇

静謐な英字

崇高を踊る

嘆美の神秘

 

恋慕が惑う

心の聖痕に

花畑を知る

放課後王妃

 

 

「アバウト」

奥歯を磨いて

神に奉仕する

鮮血が垂れる

運命性の余白

 

無口な痛覚が

舌の上を廻る

冷水で濯げば

世界観に眩む

 

小銭を恵んで

闇に談話する

廃人が呉れる

永遠癖の温度

 

不実な貧困が

咎の底を渉る

贅肉で学べど

次元体に嘆く

 

 

「スマート」