睫毛の光沢を
君は放棄して
悪い風が詠む
色眼鏡に肯く
淋しい香水は
誰にも届かず
口癖が溢れて
忘却を演じる
慈愛の足枷を
僕は厭忌して
古い夢が弾く
蜃気楼に佇む
哀しい天性は
何にも望まず
憂欝が穢れて
終焉を嘆じる
「唇の距離」
芸術幼女言語の最深部。
或いは美型詩の実験場。
睫毛の光沢を
君は放棄して
悪い風が詠む
色眼鏡に肯く
淋しい香水は
誰にも届かず
口癖が溢れて
忘却を演じる
慈愛の足枷を
僕は厭忌して
古い夢が弾く
蜃気楼に佇む
哀しい天性は
何にも望まず
憂欝が穢れて
終焉を嘆じる
「唇の距離」
縄師が縛る
罪なる躯は
肉の極点を
熱烈に謳う
高揚の汗に
泪が滲んで
自在感じる
真理を導く
胎児が実る
幸なる心は
生の宿縁を
温厚に示す
平穏の裡に
命が響いて
奇蹟信じる
愚盲を嗜む
「女たる万有」
悲愴な失恋に
神を賛美する
愛しい傷痕は
泪雨が調和し
厚い処方箋は
屋上で燃えて
僕の重複癖を
一途に禁じた
苦難な混濁に
君を懐古する
正しい足枷は
物語が意匠し
淡い夜光蝶は
終焉で魅せて
僕の対称性を
無口に詠じた
「薄倖の祝福」