ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


密画は触る

僕の静謐に

病が燃える

実存を顕し

 

聖母の肌が

色艶を囁き

燈る詩眼は

高揚に佇む

 

遺稿は悟る

君の深遠に

泪が魅せる

面影を敬い

 

悲愛の熱が

言霊を育み

薫る絵筆は

耽溺に肯く

 

 

「切なる齟齬」

貴方の積分

花が嫉妬する

密かな感動で

色を解毒して

 

美しい文法で

天命を書けば

口癖が結実し

星は盃に睡る

 

詩人の因数に

夢が落下する

確かな壊滅で

恋を暗示して

 

難しい音韻で

想望を踏めど

欠落が独裁し

雨は幻に宿る

 

 

「高嶺の煌き」

恋を植字し

恥に溺れる

甘い冗句も

嘆美が深く

 

手帖の翅に

正しく祈る

眩しい夢を

憧憬で観て

 

夜を刺繍し

裡に逃れる

浄い多色も

孤立が永く

 

織布の歌に

淋しく誇る

空しい富を

憂患で得て

 

 

「花想う石」

雨で尿が薫り

深刻だと笑む

寝床を彩るは

切実な蓋然性

 

貧しい農村で

鬼が排他する

満月に憧憬し

心臓は揺れる

 

汗で情が移り

永別だと泣く

祭祀を偽るは

残酷な観念論

 

空しい暗黙で

咎が木霊する

天命に到達し

追想は涸れる

 

 

「贄姫」