大いなる幸いは
死路に怒りを持たぬこと
そうだ、と僕は考える
全ての赦しに鳴く鳥の
何と美しいことだろう
林檎を齧って手渡した
少女の面影を眺めてる
星々は罪に焼かれても
涙を忘れて唄ってる
大いなる幸いは
傍に居ずとも分かること
だって、と僕は信じてる
貴方の居ない夢でさえ
確かに貴方を知っていた
笑う髑髏を恐れずに
その手の震えを慰める
星々は死する後に見る
その懸命さで天と成る
追わない心で辿り着く
そんな想いも在るのです
「洗礼者の夜」