ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


流せなかった涙の数だけ

空が、海が、風がある

 

例えば地平線まで紅く焼けて

塩分の強い波が寄せる

躰を冷やす酸素に触れたら

僕の歯牙の鳴る音が響く

 

空は空のつもりで覆い

海は海のつもりで満たし

風は風のつもりで旅に出る

 

ならば僕は何のつもりか

纏まった世界で何と成すのか

それともそれらに背を向けて

涙を忘れて死んでいくのか

 

流した涙を拾って歩く

聖人などはもう要らない

 

 

「涙腺の在処」