2014-04-19 ■ 流せなかった涙の数だけ 空が、海が、風がある 例えば地平線まで紅く焼けて 塩分の強い波が寄せる 躰を冷やす酸素に触れたら 僕の歯牙の鳴る音が響く 空は空のつもりで覆い 海は海のつもりで満たし 風は風のつもりで旅に出る ならば僕は何のつもりか 纏まった世界で何と成すのか それともそれらに背を向けて 涙を忘れて死んでいくのか 流した涙を拾って歩く 聖人などはもう要らない 「涙腺の在処」