昼寝をする無防備な君の
汗ばむ躰の夏の香りを
団扇でそっと扇いだような
そんな類の幸せたちが
失われたのは何故だろう
失ったのは誰だろう
終末になれば逢いましょう
今より強くなれたなら
紅を引いた君の感傷も
無下にすることはないはずだ
全てが嘘みたいに思えて
肩を寄せ合い笑ったけれど
本当は沈黙の意味に怯えて
必死に言葉を繋いでいたの
それに気付いた空っぽの
台風前夜の静かな言い訳
終末になれば逢いましょう
今より賢くなれたなら
背中に抱き付く君の抗いも
大丈夫だとあやせるはずだ
雨雲は僕を見放してくれない
君は陽射しに涙ぐんでる
一歩ずつ離れては手を放し
一歩ずつ別れては目を伏せる
過去を変えれぬ愚かな僕が
未来を生きる道理も無くて
色素を失う君の思い出に
不完全な花をそっと飾った
「叶わずの哀歌」