ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


昼寝をする無防備な君の

汗ばむ躰の夏の香り

団扇でそっと扇いだような

そんな類の幸せたちが

失われたのは何故だろう

失ったのは誰だろう

 

終末になれば逢いましょう

今より強くなれたなら

紅を引いた君の感傷も

無下にすることはないはずだ

 

全てが嘘みたいに思えて

肩を寄せ合い笑ったけれど

本当は沈黙の意味に怯えて

必死に言葉を繋いでいたの

それに気付いた空っぽの

台風前夜の静かな言い訳

 

終末になれば逢いましょう

今より賢くなれたなら

背中に抱き付く君の抗いも

大丈夫だとあやせるはずだ

 

雨雲は僕を見放してくれない

君は陽射しに涙ぐんでる

一歩ずつ離れては手を放し

一歩ずつ別れては目を伏せる

過去を変えれぬ愚かな僕が

未来を生きる道理も無くて

色素を失う君の思い出に

不完全な花をそっと飾った

 

 

「叶わずの哀歌」