砂埃の羽ばたきに
僕の面影は盗まれる
風船のように微笑んで
欠けてる僕を残してく
考えた末の屋上で
大きく息を飲み込んだ
勇気は思わず目を覆う
「これが僕の人生なのか」
気流が僕を迎えてる
黒い鳥らは確かに笑った
煙草の煙が懐かしく
僕には着こせぬ制服に
ほつれた糸は運命を
変えるほどには赤くない
青空だけがよそ者で
「独りぼっちは寂しいか」
引力の力で躰は徐々に
若く幼く退化する
瞳は小さな深淵となり
僕の裸はエロスを失う
言葉を忘れ、痛みを忘れ、
嫉妬を忘れ、事実を忘れ、
だけど愛を忘れに忘られず
「ああ。ああ。ああ。ああ」
「胎児に至る死病」