2013-11-06 ■ 電話越しの怒れるサイレンは 人肌に燃える 胸に残る白骨化した不安は 酷い臭いがする 安易に血塗れになった認印が 僕の袖を汚す 審査が振り下ろす刃物の鋭さは いつも予定調和 「書類は僕の頭を馬鹿にしていく 記述するたびに痴呆が進んでいく 年齢も住所も経歴さえも 僕が僕で在る疑問を考えさせはしない」 死にゆく記録はきちんと殺し 全て火に焼べなければならない ああ、自己証明は、殺人に、似て、いる 「書類酔いする殺人鬼」