貴方は揺れてる月見草
きっと誰もが愛するでしょう
夜分の隣が綺麗だなんて
そんな安易さにさえ抱かれて眠る
群れをはぐれた狼は
観念的に人を愛している
その歯牙に引き裂かれた恋慕たちは
痛みが何より気持ちよくなって
亡者の踏み鳴らした街に
茎の折れた月見草が咲いている
これで本当によかったの?
もう水を与えられることもなく
狼はいつか撃ち殺される
寂しい遠吠えだけが脳裏を侵し
その鋭すぎた眼つきも今や
虚勢と名付けた涙に変わって
「月の灯りはなんびとにも平等である」
それから月見草と狼は出会うべくして出会い
サンタマリアの名の下で芸術となった
「サンタマリアの奴隷たち」