2013-08-08 ■ 虚言癖が鳴り止まず 僕の口先を丹念に濡らす 意味なき嘘の報復は 鮮やかな日常の剥奪にある 頓服の錠剤程に気まぐれを 微睡む意識に処方する 甘き落命に出会う時には 僕はまことの嘘吐きを望む 少女に甘い虚妄を与え その胸郭を食い破る それを人は愛と名付けて 大人と偽証す痛みを猛る 世界の全ては嘘で構築され たった一度も本物はなかった やはり僕らに流れる物も 灼けつく程に嘘の色なのだ 「虚実の証明」