あの娘の事が好きなんだと
三十八万キロメートル先で吠えている
こんなに月が綺麗だなんて
そんな古臭い言葉は粗大ごみのシールを貼って
恋という代物が
この人類の鍵になっているなんて信じられず
その強引な引力に
引きずられて摩擦する僕の心の在処を探す
生きる術を持たぬ者に
この想いは成就してはならないという約束
神様に言い渡されたんだ
赤い紙に逆さまに書かれた文字のような厳かさで
僕は何を赦されるか
その為の犠牲を売り買いしたら何に届くのか
貴方の中にもいるはずだ
自分より遥かに自分の少女が遺したその爪痕が
「少女の爪痕」