2012-10-16 ■ 低い音が聞こえて 気づいたふりして それでも遍く現実を 耳頼りに生きてきた 声が聞こえたのは 二十を越えた頃からで 僕を傷つける全てが 鼓膜の中に混じって溶けた 安全剃刀が危険になり 僕に僕を取り戻す作業 脳が耳を疑い始めたら 恋人を捨てる馬鹿のよう 高い音が欲しくて パパに強請った僕ら それでも悪魔の爆弾は 被爆者の僕に人間を与えた 「悪魔の爆弾」