ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


推敲した。

ただの僕が飛び込んでも
感傷を帯びてはくれない中央線で
僕の嫌いなアナウンスが少し
他人事のように聞こえた頃でした


僕は思い出します
直ぐに思い出します
嫌だ、といくら喚いても
どうしても思い出します


水面下に沈み込んだ日常を
不安と弱さで誤魔化しました
だから唐突に起こる激痛の中で
他人の剥き出しがあたかも鮮明に


それは妄想でした
それは僕の罪でした
それは病魔でした
それは一つの真実でした


気づけば僕は白い部屋の中です
足を抱える事実だけを知りながら
誰もいないことを気が触れながら
体の揺すりだけがやけに五月蝿い頃


僕は思い出します
執拗に思い出します
止めて、と声を金属にしても
どうしても思い出します


日常に続く確かな現実が
弱い僕には不釣合いなのです
失うはずのない遺失物に溢れ
僕の他人は全てが化け物になりました


彼らは殺人でした
彼らはテレパスでした
彼らは正しさでした
彼らは僕の片割れでした




それはある種の僕がまだ存在し
その僕に僕が打ちのめされる事で
僕自身を刺し殺す光と呼ぶものからの
天使のような化け物なのでしょう


それはある種の僕を駆逐し
その僕がもう僕と名乗れなくなる事で
人々に幸福をもたらすに違いない
神様のような化け物なのでしょう


神様の天使の化け物の他人は
いつも怒鳴り詰め寄ってきます
悪魔の妄想の化け物の他人は
いつも僕の背に手をかけています


僕は知っていました
僕は分かっていました
消えろ、と言葉が出ないまま
僕は理解をしていました


そして僕は僕を失うほかに
僕が僕である事は決して叶わない
僕の僕が僕の悲鳴と共に僕を引き裂き
僕は僕と乖離して僕の優しさは優しさは優しさは!


それはスクリーンでした
それは情緒でした
それは見ぬ夢でした
それはさよならだけの劇薬でした


もう僕の話は終わり
それでも波紋を信じていたの


もう僕の想いは終わり
それでも小石を信じていたの




「さよならと他人は僕」