2008-11-30 ■ 僕が壊されてしまった 誰彼の何気ない生き方や 一匙の心無い苛立ちに その幾重の目による監視に 絶望を望む子供たちに 激情を知らぬ大人たちに そうして壊された僕は 部屋の片隅で語るに落ち 言述の幽霊に怯えて くらくらするほどに一人 急に泣き出した胎児が見える 失意を纏った少女が見える 早く消えてしまいたい 貴方など初めからいなかった 無骨な自己像により八つ裂き 元に戻れぬ命を患う 夢の続きで他人を呪う 僕にはいつも覚悟が足りなかった 「片鱗」