遠くで電気ギターの音がする
僕は川のせせらぎだと言った
貴方は地獄の呻きだと話した
今日で世界は終わるかもしれない
死の五線譜が正確に記される
僕は罪の果実を二つに割った
貴方は齧って空に吐き捨てた
悲鳴を灯したバラードが流れる
神様を概念から引きずり下ろした
僕は或いは獣姦の如く愛した
貴方は或いは聖者たちを咎めた
何より美しい音は一度だけ死んだ
私は誰だと胎児は泣き喚いている
僕は肺に赤い蝶々を停めていた
貴方は喉にブルースを注ぎ込んだ
旋律は丁度心音の律動に添い遂げる
「音響の美観」