ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


愛しています
ただ、愛しています
その愛を語る
僕は何れにもまして大げさに
ときめき
溢れ出した意味を
大げさに、大げさに
少しずつ彼女の
骨と骨を支える細やかな粘膜が溶け
自由に骨は体から離れ
その両腕を支える最後の肉も
少しずつ滑らかに伸びきった後
まるで、まるで
落ちる
彼女のその主無き両腕で
僕の首は自然に締め付けられ
痛み無く消えた後
静かに彼女は、
泣き喚く
僕は
それを抱きしめられないまま
愛せないまま
好しに定着できぬまま
空中をただただ漂う
暗号の羅列になり
分解された分子表層部が
ガチガチと音を立てるばかりか
彼女の
震える口か
若しくは
彼の最後の
最後の、
愛している、
愛している
愛している。




「d、v」