2017-01-26 ■ 失恋の底で 玉葱を刻む 清潔な音に 魂が融ける 古い毛布は 名残が薫り 窓を閉めて 初雪に祈る 背信の淵で 仏壇を拝む 散漫な熱に 幻が負ける 永い歴史は 私欲が宿り 縄を絞めて 桜木に実る 「幸子の陰」