失恋の底で

玉葱を刻む

清潔な音に

魂が融ける

 

古い毛布は

名残が薫り

窓を閉めて

初雪に祈る

 

背信の淵で

仏壇を拝む

散漫な熱に

幻が負ける

 

永い歴史は

私欲が宿り

縄を絞めて

桜木に実る

 

 

「幸子の陰」