2016-11-22 ■ 大洋に沈んだ 穏和な石鹸は 荒波を嘆いて 美しく融ける 清潔な血肉が 潮を撫でる程 存在の毒素に 可能性は死ぬ 夕闇に滲んだ 寡黙な口紅は 煉獄を願って 芳しく灼ける 厭世な色気が 骨を揺する儘 黄昏の詩情に 塵理論は熟む 「宿命の枷」