2016-03-01 ■ 蛍は泣いた 穢れた命に 燈を灯せど 歪なだけと 涙を流して 軽くなる躯 か弱い翅は 空に恋した 凍えた風が 頬を叩けば 街の俯瞰は 贅沢に降る 孤独な窓に 闇が吐息で 薬の薫りを 天へ運んだ 「冬の蛍」