2015-03-25 ■ 老人は微笑んだ 苦労なる走馬灯に 軍旗を追想して 骨の指で触れる 兵役の為に往く 恋人の敬礼姿に 泣き濡れた日々も 恨み抜いた日々も 彼は嘘吐きだから そっと手を取った 僕は必ず帰るよ 紅を舐める口づけ 平穏は彼の形見で 子孫は私の恋文だ 過ちと呼ばぬまま 天上にも誇らしい 「少女の戦争」