2015-01-24 ■ 悪い知らせを届けるのは いつも電話のベルでした 喧しく延々と不愉快に 僕を責め立て脅迫します 時には脳みその中で端末が 鳴り響く幻を視ています 受話器が不在の街なかで 鈴の音が意地悪く急かします 僕はやり過ごす術も無く 癇癪が収まるのを待つのです 或いは他人の乳飲み子が 泣き喚く姿を眺めるように 決して受話器は取りません それが僕の過ちだとしても 取ってしまえば貴方まで 失うことを知っているから 「もしもし」