2015-01-16 ■ 少女は僕との夜伽の度に 観音開きの夢を観る 脈打つ臓物の嬌声に 鬼の胃袋は喜んでいる 嗄れた声の老婆らが 丁寧に捌いて切り分ける 欠損と共に臭いは立ち込み 彼女の肉感は失われる 呻る少女を僕は眺めて 悪夢の涎を掬って舐める 汗ばむほどの恐怖の色は 彼女を酷く淫靡にさせる 帰れぬ食材と化したなら 僕は朝食に無精卵を割る 目覚めた少女は泣き喚く 夢など直ぐに忘れる癖に 「血の夜伽」