2014-11-08 ■ 酷く純粋な少年は 蛇の毒で死んだのだ その亡骸は砂となり 砂漠の風に運ばれる 赤い薔薇は枯れ落ちて もうその棘は傷つけない 正直だった気持ちだけ 涙のように散っていく 砂漠の井戸は永遠に 誰の渇きも潤せず 痛む孤独を見るように 空に冷たい雲が伏す それでは僕は何だろう 視えないものが視えるのは 幸福でないと知っている それだけの僕は何だろう 「星の空想家」