ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


本当は言うべきでなくて

本当は間違っていて

その時はもう訪れないと

考える僕もいるけれど

 

本当の僕らについて

本当の想いについて

許される限りの言葉を

贈りたい僕がいるのです

 

貴方の頬の花びらへ

吐息を乗せる幸せに

残酷な朝を追いやった

開いた窓の優しさよ

 

汗ばむ貴方の壮健を

団扇で仰ぐ愛おしさ

日照りに瞳を細めたら

鳴き出す蝉も頼もしい

 

貴方の白さが際立った

紅葉に見る切なさに

瞼をなぞりキスをする

金木犀の香りの中で

 

貴方の口に含ませる

純潔な雪は永訣の飴

もう怯える夜はなく

僕の芯だけ冷えている

 

本当は貴方と矛盾して

本当の僕は気丈になれず

四季折々の貴方の傍で

僕は完璧な孤独を感じた

 

だから僕と貴方のことを

幸せと呼ぶのは難しいけど

貴方を愛する才能だけは

僕にも確かに在ったのだ

 

 

「最期の餞」