ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


消しゴムをかける

川を挟む夕暮れ

騒がしい雑踏

屋上からの俯瞰

 

消しゴムをかける

若き恋人の名前

遠き人の格言

強き人からの恫喝

 

消しゴムをかける

文学の選民思想

他人との関係性

奇跡を願う怠惰

 

消しゴムをかける

僕に生きる価値観

僕の血中の思い出

僕の醜き嫉妬の炎

 

しかし懸命な悪筆だけは

幾ら擦れど消えなかった

つまりは僕を詩人と呼ぶのに

必要な痕はそれだけなのだ

 

 

「消しゴムのワルツ」