2014-10-09 ■ 消しゴムをかける 川を挟む夕暮れ 騒がしい雑踏 屋上からの俯瞰 消しゴムをかける 若き恋人の名前 遠き人の格言 強き人からの恫喝 消しゴムをかける 文学の選民思想 他人との関係性 奇跡を願う怠惰 消しゴムをかける 僕に生きる価値観 僕の血中の思い出 僕の醜き嫉妬の炎 しかし懸命な悪筆だけは 幾ら擦れど消えなかった つまりは僕を詩人と呼ぶのに 必要な痕はそれだけなのだ 「消しゴムのワルツ」