2014-07-29 ■ 口蓋に囚われた僕は その舌を丁寧に沿わす 唾液の海に溺れながら 歯茎の優しさに寄り添う 僕の唇など容易く 引き千切る程の犬歯を いつも愛して止まない 瞬間、僕は獣になる 中指を舐める行為で 鉄の辛味が味わって 齧る甘えが心地よい 濡れた爪先を削る夜 暗い部屋の脈動が 僕の心を昂めてく この熱を浴びて死ねば 恐れる物は何もない 「口づけは暗闇に」