2014-07-22 ■ 僕は掻き消え 香りが残る 其れに顰めて 避けてく人々 生前の頃は 羽音の五月蝿い 亀虫みたいに 詩篇を書いた 消える記憶に 途方に暮れて 蘇ったならば 千切れる日々よ そして全てを飲み干して 無力な翅脈で空を望んだ だから大気に 含まれていく 細切れの言葉に 救われるのだ 「亀虫の詩骸」