2014-07-17 ■ 僕の正しい通学路は 地獄の底の匂いがする 黒い野良猫の目ん玉を 齧る少女が時間を急ぐ 教室の喧騒のその果てに あらゆる罵倒を組み立てる 僕の白い脳みそはまだ 南アフリカへと逃げたまま 先生と級友は夕暮れに 死んだものだと信じてる 僕は彫刻刀で刻みだす 花壇も誇りもスク水も 僕の正しい通学路は 地獄の底の匂いがする 無味な家庭の帰り道 恥垢に塗れた命を舐める 「境界線の生徒」