2014-06-30 ■ 貴方は月と呟いた それは夜の呼び水になった 雪と花が足りないと 僕は勝手に寂しくなった 笑顔が傷跡のようで 触れることさえ躊躇った オジギソウが枯れて 僕は余計に孤独になった 月光が照らした肌は 冷たく滑らかに眠った 狼の遠吠えの代わりに 切実なamenだけが響いた 奪われたものをなぞって 貴方はもう一度、月と唱えた 僕は貴方の平静に沈む 泣く陽炎さえ大切に想った 「蒼月」