2014-06-20 ■ 盲目の夢遊病者は 偽物の景色に恋をする 空は淑女の宝石で 海は少女の胎内だ 貴方の躰が分からない その頼り無さが愛おしい ジャズの鍵盤を耳にして 世界は夜だと気づくのだ 騒がしい街並みも好き 蜃気楼で肌が汗ばむ 囁きたちは転調し 自分の命と交感する 孤独は恐れに及ばずに ただ胸に灯る郷愁の 裸足で駆ける幼子を 脳裏で再生を繰り返して 「盲目の幸福」