クローゼットの中の
着飾った肉布の死体
全て処分しなければ
僕の気持ちは進めない
東の山に埋めようか
西の空き地で燃やそうか
南の海に捨てようか
それとも我が家で食べようか
僕が色味の衣替えをしたら
それは僕とは呼べない誰かで
懐かしいものを全て忘れて
今だけが大切と盲信してる
待ち合わせは終末の鐘
誰にも聴こえぬその音色に
裾の解れに気を取られながら
心さえ覆うコートで出かける
今度は空っぽのクローゼットに
貴方の黒い肉憶を詰めたいの
「クローゼット」