2014-05-30 ■ 月光が照らす泥沼は その灯火を吸い込んで 地中深くの煉獄で 深海魚を飼っている 時折落ちてくる人間の 泪や言葉や罪悪を 全てそのまま飲み込んで 魚に餌とし与えてる その泥沼で裸になって 泳ぐ少女と少年の 目に映るのは幻の海 あの日無くした海岸線 少女は魚に逢いたいと泣く 少年はただ手を伸ばす そして運命は結実して 彼女の骨だけが輝いている 「魚が泳ぎし泥沼に」