僕の墓には
一丁の錆びたピストルを
一緒に埋めて下さい
僕の面影を追って
墓を荒らす人たちに
報いるほどの根拠だけ
遺して死んでいくのです
僕の墓には
実弾を失ったピストルを
丁寧に埋めて下さい
その実存の意味することに
理解し傷つく時までを
弔いに求める期日と欲し
他には何も望まないのです
僕の墓には
恐怖主義者のピストルを
明白に埋めて下さい
僕と貴方以外の人が
全て居なくなる夢を見て
約束誓ったあの人の
鎖を砕く口実にするのです
僕の墓には
死骸の僕すら要らないから
僕の墓には
悲哀の花すら要らないから
今日も銃声は鳴り響く
遠い遠い知らない場所で
「ピストル談議」