2014-04-27 ■ 心臓は遠いと泣いた 僕に蔑ろにされた手 アイドルにもなれずに 傷痕ばかり増えていく 握力を授からずに 今日も林檎を投げている 甘い果汁がハジけた末に ハンケチは存外と優しい 計算高い奴隷になりて 反復される数字を記する 痛みはそれでも平等で 蜂蜜の中で幸福を探す 僕が正しき種族であれば 彼の不遇もなかっただろう ただ手を繋ぐ口実だけに 僕に癒着する孤独なお手手よ 「右に繋げられた憐れな手」