ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


世界の終わりの丘の上

赤子を抱いた母がいる

街を飲み込む洪水の

少しの猶予に恵まれて

 

その柔らかい悲しみで

泣いた赤子に頬寄せて

ただ穏やかに微笑めば

時間の全てに愛おしい

 

希望になんて縛られず

幸せなどに加担せず

終焉の時に狼狽もせず

ただ丁寧に愛をあやす

 

そして赤子は目を瞑り

最後の夢に任される

母はその時少女に戻り

賢治の一節を口ずさむ

 

 

「終末の母性」