2014-04-04 ■ 僕が車椅子になったなら 日蔭に貴方の背を押して 血潮の透ける命が曇らぬ 小道を寄り添い生きようか 後ろを押すのはどなた様 この急傾斜の手前では 貴方の清らかな絶望が 車輪の芯まで伝わってくる 僕は自殺の道具でなくて 憂慮を知らせる凶器です なので貴方はそのように 心得るのが大切です 浮世はあまりに軽薄で 階段気取った恋をする 僕は積もった闇夜のたびに 上手に畳まれ無口に冷めた 「銀色の車椅子」