ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


老い耄れる時に姫君は

冷えた酸素を幾重に飲んで

体の内側から少しずつ

しかし驚くほどに美しくなる

 

処女の血も皮も肉も骨も

食べ飽きたから手をつけず

純度の低い雨の匂いに

透き通る色を任せはしない

 

たぐり寄せる思い出だけが

美の曲線を調律できる

むせ返るほどの溜め息だけが

潤む囁きの開錠を赦す

 

一輪の薔薇は永遠に眠り

枯れ落ちてから言葉が残る

彼女は時と淫靡を捨て去る

無意味なまでに神秘な化け物

 

 

「芸術的なまでの姫君」