僕はとても悪い子です
他人の訃報を知るたびに
今は僕の番ではない
僕の番ではないはずだと
爆弾を飲み込んだ悪魔のように
気を立てながらも安堵して
対岸の痛みから目を逸らすのです
大切な人の死は耐え難く
三度で僕は粉々になりました
その砂利を踏み固める為だけに
奴隷のごとく生きている気がするのです
死というものを大まかに括り
他人事にしてやり過ごします
生物学的に眺めたり
統計学的に数えたり
倫理的に色を変えたりと
姑息な知識を組み替えながら
僕は苦しみをやり過ごすのです
それでも僕から奪う気なのですか
薬を飲んでも心は鉄になれず
踏み締める代わりに傷ついて
悲しみが邪魔をして真っ直ぐさえ歩けないのに
「死逢わせ」