人を裏切りながら
通り過ぎて行く言葉の残響
待ってくれよ
置いてかないで
必死に人々の笑い声を抜け出して
手を伸ばした先
眩しからず、ポツネンが
向かい風のように遠くを見据えて
僕の物ではない場所へ行く
指先は暗がりを触っている
熱い汗はすぐに冷え切って
吐息も映像に残りはじめる
涙を流すのは惨めだわ
声を殺すのはもっと惨めだわ
今は胎児の真似をして
また微睡みと共犯しよう
ポツネンの先の
白い太陽を浴びるまで
ポツネンの先の
淡いメロディが流れるまで
ポツネン、
マイラヴ。
ポツネン、
マイファントム。
「ポツネン」