ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


愛する人が泣いている

僕を偲んで泣いている

その一幕の美しさが

神様からの僕へのご褒美

 

僕の戸棚は空になり

部屋は清潔に冷たくなった

貴方は涙で汚さぬように

遠慮しがちにコートに沈む

 

若き日の貴方の無邪気さが

今は僕の天国への切符になり

残せなかった言葉でさえも

その懐かしさに驚いてしまう

 

僕など忘れて幸せ掴めよ

僕など気にせず笑顔でいろよ

その開幕のベルが響けば

涙のコートを羽織って去るから

 

 

「トレンチ・コート」