言葉はさよならだけだから
此処は等しく鳴り止まなくて
それからの僕らは繰り返し
その言葉の有意性や
その言葉の利便性に
脳髄の刃で傷ついている
それでも僕らは傷つくことを
求めて焦がれて知るべきなのだ
手紙で別れを切実に
詩編をしたため柔らかに
最後に血の玉浮かんだ肌の
痛みの味で染めたのだけど
理解の外の外から覗く
無言の読者は既に手を振る
僕らはいつでも確実に
惜別を重ねていたのかな
新たなる日々はまるで墓荒らし
生まれた時から知っていたのに
僕はただただ人を騙すように
歳だけ重ねてしまったのだ
「別れには必然的な速度で」