ライトポエムの最深部。


或いは美型詩の実験場。


僕は射精がしたいのです
涙に揺れる陽炎に
埃を被ったフイルムに
子供が描いた似顔絵に
大人の罪の独白に
あの娘の曇った伊達眼鏡に
胃の中ではじけるソーダ水に
アスファルトに死ぬ花に
SF小説の一節に
愛を騙らぬメロディに
妊婦のお腹の反抗に
全ての世界の寂しいに
切ない気持ちの復讐心に


僕の二億余りの魂が
昂ぶる心の果ての末
反り返る強固な感受性を
見事に叶えてみせるのです


僕を孕んだ全ての芸術が
いつか親殺しを遂げるまで
或いは透明な心のままに
僕は射精がしたいのです
我慢をせずにいたいのです
其れしか僕にはないのです




「賢治の芸術」