2013-07-12 ■ 夏の暑さが好きなんて 文学ではないと君が笑う 冬の寒さがもたらす愛を 求めないのは文盲なのだと 平行植物に彩られた 僕の目視する七月に 夏は偉大だと語った詩人の 骸骨が健気に祈ってる あらゆる物を盗んだ僕は 脳髄に冷たい汗をかく 罪悪は眠りに疎外されるから 僕はせめて寝苦しく生きていたい 照る日差しは僕を老いた少年にして 不正なる白昼夢を刻印する 時に君の散文は美しさを口に含むが 僕の文言には眩しい過ちしかなかった 「悲しい程の夏に」