2013-05-07 ■ 恋する排気ガスが 有毒なハートを吐き捨てる それを吸った恋人たちは 片想いの呪いにかかる 街中を自殺風が吹く 恋心すら劇薬ならば 或いは僕が恋するのならば 死ねる程に服用するのだろう 野良猫の死体を踏み越えて この便利な街は塗り固められる 空気中のO2はもう限界で ヘッドライトの灯りがその合図だ それを人は悪臭と呼ぶだろう 疎外されて初めて気づく気持ちもある 僕の懐かしいものを想起させる 道行く暴言の後に漂う恋慕などは 「恋する排気ガス」