2013-03-07 ■ 僕の運命の恋人に 月の裏側でギロチンが落ちた その瞼は三回瞬き 一息吸って静かになった 月があんなにピンクなのは 彼女の脳味噌の色だから 溶けて残った女らしい体 舌を這わすは毛のない兎たち それでも僕は愛してて その感情は空気を焦がす 夜が紺色深くなるのは 僕が失っていない何よりの証拠 今日も僕はあの娘と手を取り ワルツを脳漿の海の上で踊る 首が無くても彼女は美しく そしてまことに繊細だった 「ピンク色の月」