ウェヌスの暗号

韻を踏み過ぎてパーに成った。

芸術幼女言語の最深部。


或いは美型詩の実験場。


恋をしてると言わないで

それは悪魔の囁きだ

僕を僕とする最後の糸が

髪の毛みたくプツンと切れた

 

詩人に恋が成立するなら

それは此処とは違う場所

体験談を綴ったならば

僕は正しく死なねばならぬ

 

温もりには慣れる事なく

追想によって僕は愛された

それでみなもは満ちていたんだ

貴方が石を投げ入れるまでは

 

恋じゃないよと僕は答える

この先に続くは寂しき果実

齧った蜜をさしだす僕は

千切れた糸を小指に結んだ

 

 

「寂しき果実」