2013-12-08 ■ 喉の奥から海の音がする 頬に唾液が満ちていく 虚ろな瞳を手にした僕は 指先までも他人みたいだ そんな僕の心が遺した 骸の墓を暴いて晒す 記憶に欠けたその配列に 何度ともなく僕は救われた 呪詛を唱える病室で 顔を映すは透明な花瓶 それでも死体を増やしてく 僕は今すぐ僕を止めたい 小さな海に還してしまえ 脳から口へ、心から声へ そうして届いた羅列の事を 人は詩編と名付けて愛する 「喉の海は知っている」