愛玩犬は「好き」と鳴く
その無垢なる願望を
僕は胸の中に閉じこめる
彼女は僕しか望まなかった
過程なくして美を感じれず
風景美談は状況の勢力に依存し
言葉を当てはめて理解する
汚れた僕の瞳なのに
汚れた僕の美観なのに
何処までも走る貴方よ
そのセロトニンの健全さよ
愛される為に産まれて
愛される為に死ぬんだね
この光景は彼女の駆ける姿を
想起させるただ一つの明媚
きっといつまでも泣き腫らす
優れた僕の記憶からは
優れた僕の痛みからは
彼女は僕より先に老いた
声は一つも嘱しない
貴方の骸を引き渡すのが
僕の最も身近な罪だ
「愛玩犬と遊びて」