不格好な万力は
光でさえも折り曲げる
自分の密度に誇りを持って
その正確さに命を懸ける
たまには甘えていいのにと
僕は密かに思うのだけど
今日も女子高生の指を潰し
空気中の電波を希薄にさせる
それでもあの日は忘れない
万力が恋に落ちた日の
抱きしめた時に弾け飛ぶ
愛の足りない生卵
微動だにせず呻くのは
オイルが切れて錆びたから
それから万力の体温は
鉄くずのように冷たくなった
神様の指先でねじ回す
運命と呼んだ絶対の原理
僕はどうすれば良かったの
万力はいまだ涙も見せず
確実に全てを圧してるのに
「万力の孤独」