美しく在ろうとした醜悪は
何ものよりも本物だ
その証明を導く為に
僕は死んでも構わない
毛布に包まる寂しさも
闇夜に叩く息苦しさも
第三者たる惨めさも
美しく在ろうとしていたのだ
素直な気持ちで信じていたのだ
不細工な言葉は熱を帯び
幾つも幾つも傷を刻まれる
そして僕らはその光景に
悲鳴にも似た真っ赤な祈りを、
祈りを、おぼえずにはいられない
鏡を全て叩き割ってしまうような
激情を要する痣だらけの喪失が
この世の中に存在すると考えるだけで
ああ、神様! と心が騒めいて
病床の感情で死するを生き抜く
醜さゆえのテロリズムな悲しみよ
自意識の腕で自らの首を絞めながら
今日も痛みに歯を嚙み自負せよ
「醜悪の魂」